コーポレートロゴデザインの基本と制作プロセスを徹底解説

コーポレートロゴデザインの基本と制作プロセスを徹底解説

作成から時間が経ち、現在のコーポレートロゴが今の事業内容やビジョンに合っていないと感じることはありませんか?また、コーポレートブランディングの一環としてロゴのリデザインを検討し始めたけれど、進め方が分からない方も多いのではないでしょうか。この記事では、初めてロゴの制作やリデザインに携わることになった方のために、基本的な知識から制作のプロセス、トレンドを解説します。

コーポレートロゴデザインとは?

コーポレートロゴデザインとは、企業のビジョンやブランドイメージを視覚的に表現し、企業の「顔」として重要な役割を担います。外部のステークホルダーに対して企業の存在を強く印象づけるツールとして、ホームページや広告、名刺など、さまざまな場面で使用されます。

コーポレートロゴは、シンボルとしての「ロゴマーク」と、会社名やブランド名などの文字要素である「ロゴタイプ」の2つで構成されています。中には文字のみのロゴや、和文・欧文を使い分ける企業もあります。

コーポレートアイデンティティ(CI)との違い

コーポレートアイデンティティ(CI)とは、企業の特性や独自性を統一されたデザインや明確なメッセージを通じて社会と共有し、企業の存在価値を高める戦略的な取り組みを指します。企業文化を可視化し、社会や顧客、社員など、すべての関係者に対して企業の価値や理念を伝えることが目的であり、非常に重要な取り組みです。

コーポレートアイデンティティを策定する際には、企業の象徴となるロゴやシンボルマークを作成することが一般的です。そのため、「コーポレートアイデンティティ=ロゴ制作」と誤解されることもありますが、ロゴはあくまで企業の理念や価値観を象徴するシンボルの一部であり、コーポレートアイデンティティ全体を構成する一要素となります

コーポレートロゴをデザインする際に考慮すべき重要な要素

コーポレートロゴをデザインする際は、以下のような要素を考慮する必要があります。

  • シンプルさ
    シンプルなデザインは視覚的に認識しやすく、記憶に残りやすいです。一方で、複雑なロゴは印象に残りにくい傾向があります。
  • 独自性
    他のブランドと明確に差別化される独自性を持つことが必要です。ユニークなデザインは顧客に強い印象を与え、ブランドの個性を引き立てます
  • 適切性
    ロゴはビジネスやブランドの性質を反映している必要があります。業種やターゲット、市場の特性に合ったデザインが求められます。
  • タイムレス性
    優れたロゴは、時代を超えて愛され続けるものでなければなりません。一時的な流行に依存せず、長期的に使用できるデザインを目指すことが理想です。
  • 多様性
    ロゴは看板やウェブサイト、広告、名刺など、さまざまな媒体で使用されるため、サイズや形式を変えても視認性が損なわれないデザインを意識しましょう。
  • 色彩とタイポグラフィ
    色は感情や印象に強く影響を与えます。適切な色彩選択は、ブランドイメージを形成する上で非常に重要な要素です。また、フォント選びもブランドの個性やメッセージを強調するための重要なデザイン要素です。
  • ターゲットユーザーの理解
    自社の顧客層に訴求するためにデザインする必要があります。ターゲットユーザーの属性や嗜好を分析し、それに基づいてデザインを調整します。

これらの要素を考慮することで、コーポレートロゴはブランドアイデンティティを強化し、市場での競争力を高めることができます。

コーポレートロゴを制作する際のプロセス

コーポレートロゴの制作プロセスは、5つのステップに分かれています。

Step 1:自社探求

まずは、自社がどのような事業を展開しており、同業他社と比べた強みや、ビジョン、企業理念を深く掘り下げて探求することが重要です。また、経営陣と対話を行い、経営計画を踏まえて会社の目指す未来像もしっかりと把握します。
自社探求をおろそかにして作成してしまうと、企業ブランドやカラー、理念に統一感が欠ける“中身のないロゴ”になるリスクがあります。
コーポレートロゴを見た人にどのような印象を持ってもらいたいかを明確にし、また競合他社のロゴデザインや業界のトレンドをリサーチすることも欠かせません。

Step 2:コンセプト設計

Step1で集めた情報から要点をピックアップし、ブランドアイデンティティを明確にしましょう。「〇〇な会社」と一言で表現できるような価値やイメージを言語化し、デザインに反映させるべきコンセプトを設定します。このコンセプトが、企業の価値を一言で表すものであり、ロゴのカラーやデザインの基礎となります。

Step 3:ラフ案の作成

企業コンセプトがしっかりと表現されているか、ロゴとしての完成度が高いか、さらに自社探求の内容に沿っているかを確認しながらラフ案を作成します。この段階では、できるだけ多くのアイデアを形にし、様々なバリエーションを検討します。コーポレートロゴで最も重要なのは、その企業の独自性や特徴を的確に表現できているかどうかです。

Step 4:ブラッシュアップ

社内でのフィードバックをもとに、細部にわたり調整を行いながら仕上げていきます。コーポレートロゴの利用シーンを想定し、視認性の確認や文字間隔の調整など、実際の使用に適したデザインになるよう、細かい調整を重ねていきます。

Step 5:ブランドガイドラインの作成

コーポレートロゴの使用方法やデザインのルール、カラーパレット、フォントの指定など、デザインの統一性を保つための指針をまとめたブランドガイドラインを作成します。ガイドラインに沿ってコーポレートロゴを使用することで、常にブランドイメージを正しく伝えることができ、企業全体で一貫性のあるブランディングを行うことができます。

コーポレートロゴデザインのトレンド

デジタルメディアの発展や企業ブランディングの多様化により、新しいトレンドが次々と登場しています。
ここでは、最近のトレンドをみていきましょう。

よりシンプルなデザイン

本質に焦点を当て、不要な要素を排除し、ブランドの核となるアイデンティティやメッセージを必要最低限の要素で伝えるデザインです。
グラフィカルな要素を抑え、ネガティブスペースをうまく活用して、デザインの核心に焦点を当てることで、ユーザーにクリアで直感的なメッセージを伝えることが可能です。

ディスプレイ表示に適したデザイン

シンプルなデザインとも関連しますが、スマホなどのディスプレイ表示を意識したロゴデザインが増えています。シンプルでありながら、カラフルで鮮やかな色使いやグラデーションデザインがトレンドとして見られ、特にデジタルプラットフォームが主流になる中で、RGBカラーで制作されることが多くなっています。

アニメーションロゴ(モーションロゴ)の増加

デジタルプラットフォームの主流化により、アニメーションロゴ(モーションロゴ)の増加が注目されています。これにより、企業やブランドのストーリーや多様な側面を表現し、単なる静止画では伝えきれない情報や感情を伝えることが可能となります。

成功事例:中西製作所(Qoil事例)

Qoilでは、「食文化のコーディネーター」として食生活に新たな価値を創造する未来を見据えたスローガンと、ロゴデザインのリニューアルを担当しました。
ロゴデザインは、血液や筋肉など、人間の根幹を司るNAKANISHI REDを基調に、力強さと安定感を表現し、有機的なカーブを取り入れた文字デザインを採用しています。これにより、食に対する「安全性」「信頼感」「おいしさ」を表現しています。
ロゴの中央にある穏やかな線は、“いただきます”という言葉と、食べてくださるエンドユーザーの健康で豊かな未来の「地平線」を意味しており、中西製作所がまるで毎日昇る朝陽のように、皆様と食の未来を照らし続けることへの願いを込めています

リンク:https://www.qoil.co.jp/works/nakanishi_cb/

まとめ

コーポレートロゴ制作では、ブランドイメージを的確に反映し、競合との差別化を図るために、専門的な知識やスキルが欠かせません。これまで制作方法やトレンド、事例についてご紹介してきましたが、自社のみで進めるのは難しく、失敗のリスクもあります。

深い知見と豊富な経験、専門的なスキルを持ち合わせた人材が必要となりますので、是非実績のあるQoilへご相談ください。